デジタルトランスフォーメーション(DX)

多義的な言葉ではあるが、本邦では現状「業績の改善(競争優位の確立)のために、デジタル技術を大前提として組織とビジネスモデルを変革すること」というような意味合いで用いられるケースが多い。 本メディアではDXの定義をより精緻に掘り下げる記事も掲載予定である。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の定義

IDC Japan(2016)

企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソ ーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること

経済産業省 (2018)

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

DX実行戦略 (IMD Michael Wade教授)

デジタル技術とデジタル・ビジネスモデルを用いて組織を変化させ、業績を改善すること



各定義から見る共通点

IDC Japan、経済産業省、DX実行戦略におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の定義を見ると、目的といくつかの方法論が共通していることがうかがえる。目的は「業績の改善(競争優位の確立)」であり、それを成し遂げる方法論は「デジタル技術の活用」「組織変革」「ビジネスモデル変革(顧客体験のアップデート)」等とされている。