DXへの第一歩はDigitizationから
連載第2回:「日本企業のDXは「平成、失敗の本質」に学べ」
DXは変革である。変革は一朝一夕に成り立つものではない。したがって、まず自社のPurposeに立ち帰り、自社にしかできない未来ビジョンを考え、それをデジタル・テクノロジーを駆使して実現するというプロセスで、なおかつ長期的な展望をもって、変革を進めていかないといけない。
今やDXは流行語化し、DXは日本において日常化しているような錯覚さえ受ける。しかしXは「変革」を意味していることを決して忘れてはならない。そもそも日本企業は変革が得意ではないのである。変革が得意であったならば、「平成失敗の本質」が語られることもないし、世界的な日本企業の地盤沈下が嘆かれることもない。
もちろん、未来ビジョンは簡単に実現するものではないから、「小さな勝利を繰り返す」(Repeat Small Wins)という精神で、デジタル化の活用の領域を広げ、未来への旅路を歩むことが大切である。
最初は既存業務におけるデジタル・テクノロジーの活用からその旅路は始まることだろう。それこそ、いわゆる「Digitization」であり、その成果として業務効率性の向上が実現するだろう。「Digitization」の典型例がRPAである。どちらかと言えばDigitizationは内向きで、自社のパフォーマンス、つまり収益性の向上がアウトプットである。
顧客へのより高い価値の提供を目指してDigitalizationへと進む
しかし、デジタル・テクノロジーは、外向きに、とりわけ顧客のために活用されないといけない。それがデジタル化活用の次のステップである。顧客により高い価値を提供するためにデジタル・テクノロジーを活用するのである。