東京都の新たな助成金やノーコード及びローコードの現状:週刊DXニュース(2021/04/20号)

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東京都:新たに設備投資に関する助成金を発表

2021年4月18日、公益財団法人東京都中小企業振興公社は「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(第1回)」を発表しました。本事業は、変化・変革に正面から向き合い、先端技術を活用して持続的発展を目指す中小企業者等が必要となる機械設備等を導入するための経費の一部を助成します。「稼ぐ東京」を実現することを目的として、中小企業の自ら稼ぐ力を強化し、新たな事業展開やイノベーションの創出を促します。

DX推進以外にも事業区分3つあり、合計4枠(I〜IV)の助成率や限度額が異なります。条件は全枠同様で、令和3年4月1日現在で東京都内に登記簿上の本店または支店があり、都内で2年以上事業を継続している中小企業者等とのことです。対象経費は「機械装置、器具備品、ソフトウェアの新たな導入、搬入・据付等に要する経費」です。

【助成率・助成限度額】(出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000034524.html)

スケジュールに関しては、申請予約期間は5月6日〜5月26日であり、それぞれ6月上旬〜7月下旬と8月中旬行われる一次と二次審査を通った企業から9月中旬に対象者が選定されるそうです。

なお、上記スケジュールは第1回に当たるスケジュールであり、第2回の募集は年度後半に実施されるようです。

助成金については、DXニュースの4月6日号では福岡市、4月13日号では佐賀県と相次いで実施されています。今回は業種の制限がなく、また本店ではなく東京支店でも応募可能という条件から対象となる企業も多いかと思われます。設備投資を検討しているのであれば、下記ページより詳細を確認してみてはいかがでしょうか。

【東京都】新たな設備投資の助成金(ソフトウェア、機械装置等)がスタート(プレスリリース)

IDC:ノーコード及びローコードの導入現状

2021年4月12日、 IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社は本邦のローコード及びノーコードプラットフォームの動向に関する調査結果を発表しました。

ローコード及びノーコードプラットフォームは、ドラッグ&ドロップによるビジュアルモデリングによって、アプリケーションのデザインから開発、テスト、デプロイメント、実行、管理まで、アプリケーションライフサイクル全体の統合環境を提供するソフトウェア製品またはクラウドサービスと定義されています。

主な結果として、ノーコード及びローコードプラットフォームを既に導入している企業は8.5%で、導入に向けてテストを行っている企業は12.4%です。導入を検討あるいは計画している企業は23.9%だそうです。

導入の理由としてはもっとも回答数が多かったのは開発スピードの向上 (45.1%)であり、他にも「少人数での開発(20.9%)」や「開発の内製化(26.4)」という回答がありました。

DXを推進している企業は、特に新型コロナウィルスの普及以来急速に増加しました。これによりDX人材不足という状況が生まれ、それらを惹きつけるための争いが既に始まっています。そういった現状では、多くの企業にとって社内育成やアプリ開発を単純化させるツールの導入という手段は解決策になり得ます。本調査によると、導入済み、あるいはテスト中の本格的にノーコード及びローコードプラットフォームを使っている企業は既に2割を超え、検討している企業の割合からすると今後も大きく伸びるのではないでしょうか。

国内ローコード/ノーコードプラットフォーム動向調査結果を発表(IDC)

倉敷中央病院:DXによる4300万円の削減を実現

2021年4月8日、プロジェクトのパートナーだったGEヘルスケア・ジャパン株式会社は岡山県の倉敷中央病院のDXによる改善の成果を発表しました。

2018年1月より、医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー、GEヘルスケア・ジャパン株式会社は倉敷中央病院と一緒に、病院のDXを実施しました。この結果として、計4,300万円を改善し、1.6億円規模の資産運用の最適化が実現できたそうです。

具体的な取り組みとして、アセット・パフォーマンス・マネジメント(APM)を用いた医療機器の稼働の最適化および働き方改革です。手始めに超音波診断装置の稼働頻度や時間を分析し、可視化したそうです。このデータを元に、装置数を最適化し購入数を抑制化することや、可視化することで運用フローの不備を見つけることができたとのことです。今後は病院全体でこのAPMを行うそうです。

DXにおいてよく出てくるワードの中に「データ・ドリブン」がありますが、今回のGEヘルスケア・ジャパンのサポートを受けた倉敷中央病院のケースはデータ・ドリブンの重要性を示す良い実例かと思います。AIや他の最新技術の採用ではなく、病院が所持している機器の一部の稼働状況を可視化し、働き方の改善だけで莫大なコスト削減を実現しています。倉敷中央病院を参考に自社でもデータの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

倉敷中央病院における、デジタルトランスフォーメーションの具現化に向けた包括的取組みの中間報告を発表 (プレスリリース)

いかがでしたでしょうか。少しでもDXに取り組む経営者・リーダーの皆さまにとって役立つ情報があれば幸いです。次回の週刊DXニュースもお楽しみください。