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株式会社三菱総合研究所: 日本のDX現状調査結果を公開
2022年5月25日、株式会社三菱総合研究所は、売上高100億円以上の国内民間企業を対象とした「DX推進状況調査」を実施し、調査で明らかになった、日本企業のDX取組進展度と成功要因についてレポートを公開しました。この一部を紹介します。
第一に、DXビジョンの策定及びアップデートの重要性が明らかになったそうです。その裏付けとして、コロナ禍において、ビジョンを策定し計画通り実行している企業の40%が業績を向上させているのに対し、立案予定はない企業では業績向上が9%であることが提示されました。また。ビジョン立案済みの企業のうち、その実行度が高いほどビジョン策定の必要性を感じているとのことです。
また、業種によってDXの進展度に差が生まれており、今後の展開や取り組み事項の優先度も相違点があるようであり、課題視される「DX人材」も展開度によって求められる人材が異なるとのことが分かったそうです。
調査レポートをご希望する方はこちらから無料で申し込めるとのことです。
医療業界のDX、5G SAとMECによる遠隔医療実証を実施
2022年6月6日、リバーフィールド株式会社、KDDI株式会社と株式会社ソリトンシステムズは2022年5月31日に医療業界のDXに向け、5Gスタンドアローン (5G SA) とMEC (AWS Wavelength) 環境を活用した遠隔医療の実証実験を実施したことを発表しました。
本実証では、下記2点を実施しましたとのことです。
- 手術支援ロボットの操作の様子を複数のモニターへ映像伝送、遠隔指導を実施
- 5G SAとMECを経由した手術支援ロボットの操作を実施
本実証実験に参加した、弘前大学 大学院医学研究科 医師 諸橋によると、遠隔手術においては、映像および機器制御信号に関する伝送遅延が課題になりますが、今回の遠隔操作で、以前に有線ネットワーク経由で実施した際と同等の操作感を得ることができたそうです。
3社は今後も、無線ネットワークを利用した際の技術的な課題を洗い出し、今後の研究開発に向けた各種データを収集することで、医療業界のDXに貢献するとのことです。
SONY: 屋内行動分析プラットフォーム「NaviCX」を発表
2022年5月30日、ソニー株式会社は新たな顧客体験の創出や企業のDXを支援する、屋内行動分析プラットフォーム「NaviCX(ナビックス)」の提供を7月1日に開始することを発表しました。
「NaviCX」は、AIを活用した技術をベースに、人の位置だけでなく向きの情報まで高精度に取得できる技術です。この技術を事業者のスマートフォン用アプリケーションに組み込むことで、店舗や施設内にいるスマートフォン所持者の行動データを取得し、滞在時間や動線、経路などの詳細な分析結果を提供するほか、位置情報に基づいてプッシュ通知を送ることもできます。これにより、GPS等での測位が難しい屋内でホームセンターなどの大型店舗内や体験型施設内などで活用を見込んでいます。
「NaviCX」で取得できる分析データの具体例はこちら:
- 客:現在位置、店内/施設内滞在時間、立ち寄った場所と経路、サイネージ前など特定エリアでの滞留時間、アプリ立ち上げ人数
- 従業員:上記のほか、現在および時間ごとの実施作業内容、各作業にあてた時間割合、品出し回数
- 場所:場所ごとの滞在顧客数と従業員数、各通路の通行量、サイネージ前など特定エリアの立ち寄り人数、エリア相関
「NaviCX」を活用した具体例として、例えば客のリアルタイムの行動データと商品検索機能などを組み合わせて、客の希望する商品の陳列棚までナビゲーションを行ったり、近くに並べられた商品のお薦め情報のプッシュ通知を送ったりするなどが考えられます。
カインズで既に実証実験を行ったそうで、そのレポートをぜひご覧ください。
企業のDXを支援する屋内行動分析プラットフォーム「NaviCX(ナビックス)」提供開始
いかがでしたでしょうか。少しでもDXに取り組む経営者・リーダーの皆さまにとって役立つ情報があれば幸いです。次回もぜひお楽しみください。