経産省×東証DX銘柄2021の選定発表やグローバルDXの現状調査など:週刊DXニュース(2021/06/15号)

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経産省:「DX銘柄2021」「DX注目企業2021」に選定企業を発表

2021年6月7日、経済省は、東京証券取引所と共同で「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」を選定し、「DX銘柄2021」選定企業28社と「DX注目企業」20社を発表しました。

DX銘柄とは:東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を、業種ごとに最大1~2社ずつ選定して紹介するものです。

経済産業省(https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210607003/20210607003.html)

DXグランプリ2021選定企業(2社)

DX銘柄2021選定企業28社の内、特に優れた取組を行った企業として以下の2社が選定されました。

  • 株式会社日立製作所(電気機器)【証券コード6501】
  • SREホールディングス株式会社(不動産業)【証券コード2980】

DX銘柄2021 (26社)

デジタル技術を前提として、ビジネスモデル等を抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていく「DX」に取り組んだと評価された企業がDX銘柄として選定されました。

  • 清水建設株式会社(建設業)【証券コード:1803】
  • アサヒグループホールディングス株式会社(食料品)【証券コード:2502】
  • 旭化成株式会社(化学)【証券コード:3407】
  • 中外製薬株式会社(医薬品)【証券コード:4519】
  • 出光興産株式会社(石油・石炭製品)【証券コード:5019】
  • 株式会社ブリヂストン(ゴム製品)【証券コード:5108】
  • JFEホールディングス株式会社(鉄鋼)【証券コード:5411】
  • 株式会社小松製作所(機械)【証券コード:6301】
  • 日本電気株式会社(電気機器)【証券コード:6701】
  • ヤマハ発動機株式会社(輸送用機器)【証券コード:7272】
  • 株式会社トプコン(精密機器)【証券コード:7732】
  • 凸版印刷株式会社(その他製品)【証券コード:7911】
  • 東日本旅客鉄道株式会社(陸運業)【証券コード:9020】
  • SGホールディングス株式会社(陸運業)【証券コード:9143】
  • 日本郵船株式会社(海運業)【証券コード:9101】
  • 日本航空株式会社(空運業)【証券コード:9201】
  • ソフトバンク株式会社(情報・通信業)【証券コード:9434】
  • トラスコ中山株式会社(卸売業)【証券コード:9830】
  • 株式会社セブン&アイ・ホールディングス(小売業)【証券コード:3382】
  • 日本瓦斯株式会社(小売業)【証券コード:8174】
  • 株式会社りそなホールディングス(銀行業)【証券コード:8308】
  • 東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社(証券、商品先物取引業)【証券コード:8616】
  • MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社(保険業)【証券コード:8725】
  • 東京センチュリー株式会社(その他金融業)【証券コード:8439】
  • 株式会社GA technologies(不動産業)【証券コード:3491】
  • 株式会社ベネッセホールディングス(サービス業)【証券コード:9783】


DX注目企業2021(20社)

「DX銘柄」に選定されていない企業の内、特に企業価値貢献部分において、注目されるべき取組を実施している企業として、DX注目企業が20社選定されました。

  • 日清食品ホールディングス株式会社(食料品)【証券コード:2897】
  • 株式会社ワコールホールディングス(繊維製品)【証券コード:3591】
  • ユニ・チャーム株式会社(化学)【証券コード:8113】
  • 大日本住友製薬株式会社(医薬品)【証券コード:4506】
  • AGC株式会社(ガラス・土石製品)【証券コード:5201】
  • 三菱重工業株式会社(機械)【証券コード:7011】
  • 富士通株式会社(電気機器)【証券コード:6702】
  • 大阪瓦斯株式会社(電気・ガス業)【証券コード:9532】
  • ANAホールディングス株式会社(空運業)【証券コード:9202】
  • 日本電信電話株式会社(情報・通信業)【証券コード:9432】
  • 三井物産株式会社(卸売業)【証券コード:8031】
  • 住友商事株式会社(卸売業)【証券コード:8053】
  • Hamee株式会社(小売業)【証券コード:3134】
  • 株式会社三井住友フィナンシャルグループ(銀行業)【証券コード:8316】
  • 株式会社大和証券グループ本社(証券、商品先物取引業)【証券コード:8601】
  • SBIインシュアランスグループ株式会社(保険業)【証券コード:7326】
  • SOMPOホールディングス株式会社(保険業)【証券コード:8630】
  • リコーリース株式会社(その他金融業)【証券コード:8566】
  • 三菱地所株式会社(不動産業)【証券コード:8802】
  • ユナイテッド株式会社(サービス業)【証券コード:2497】

その他にも今年は、新型コロナウイルス感染症を踏まえた対応に関して、デジタル技術を利活用し、優れた取組を実施した企業を「デジタル×コロナ対策企業」として11社が選定されました。「デジタル×コロナ対策企業」に選定された企業とDX銘柄2021選定企業の一覧はこちらから確認できます。

また、「DX銘柄2021」「DX注目企業」「デジタル×コロナ対策企業各社の取組み」や「デジタルトランスフォーメーション調査2021」回答結果の分析をとりまとめたレポートも公表されていますので、ぜひご覧ください。

なお、DX Review編集部でもDX銘柄2021の経済産業省担当者に2020との違いや審査の着眼点等を取材しております。審査観点のアップデートを知ることで日本全体のDXに対する機体や実情を知るヒントにもなりますので、ご興味があれば合わせてご覧ください。

「DX銘柄2021」「DX注目企業2021」を選定しました!(経産省)

調査:グローバルDXの現状

2021年6月10日、MuleSoft Japanはデロイトデジタルと共同で行った「2021年版 接続性ベンチマークレポート」を発表しました。

本調査の目的は、企業がDXから実際にどれだけの価値を得ているのかを明らかにし、DXの目標を達成するためにITリーダーたちがどのような戦略を採用しているのか理解することです。下記にて主なFindingsをまとめます。

  • 企業が2021年に注力している主な取り組みは、アプリケーションのクラウドへの移行(51%)、リモートワークへの対応(48%)、ビジネスプロセスの自動化(47%)であり、回答者のうち90%が、DXの実現を阻む要因としてインテグレーションの課題を挙げた。組織が使用するアプリケーションは平均843個だが、インテグレーションが実施されているのは29%であった。
  • 企業のIT部門は、労働時間の3分の1以上を上記のインテグレーションに費やしていることが明らかになった。特に大手企業がカスタムインテグレーションのために支出する人件費は、年間990万ドルのITスタッフ総支出のうち平均350万ドルに上る。この調査結果から、業界を問わずインテグレーションこそがDXの成功とスピードを決定づける重要な要素であると結論付けられた。

本調査はどちらかと言えば海外の回答者が多く、日本企業の回答者は少ないものです。しかし、海外企業のDXが日本より進んでいることを考えると、この先同じ課題に直面する可能性が高く、先回りの視点でDX戦略を再検証できると思います。

企業のインテグレーションにかかる人件費は世界平均350万ドル – MuleSoftの調査(マイナビニュース)

NEC:DX人材育成アカデミーを開講

NECは、去年から提供し始めた「NECアカデミー for AI」に加えて、DX人材を育成することを目的とした「NECアカデミー for Future Creation Design」を2021年7月に開講することを発表しました。DXに取り組む企業の担当者を対象とし、「学び」と「実践」の場を提供するとのことです。今後3年間で1500人の受講を目指しているそうです。

提供されるコースは3つあり、NECが開発したDX化に向けたビジネスデザインの方法論である「NECのデザイン思考フレームワーク」に含まれるプロセスやツールの使い方とツールを利用する上でのマインドセットを学びながら、DXに向けた事業創造手法について実践を通して体系的に習得することができるとのことです。

NECアカデミー体系
出典:https://japan.zdnet.com/article/35171884/

それぞれのコース(上記図の右側)の費用は下の通りです。

  • 「実践研修 コラボレーションコース」は標準期間3カ月で受講費用は2000万円から。
  • 「実践研修 コーチングコース」は標準期間1.5カ月で受講費用は700万円から。
  • 「個別研修コース」(入門編1日間/基礎編5日間)の受講費用は入門編が100万円、基礎編が600万円から。

DXを促進するに当たって多くの企業が苦戦しているDX人材不足の問題。この中で最も可能性がある解決策としては、新しく人を採用するではなく、既に持っている人材に新しいスキルを習得させることかもしれません。

NEC、DX人材を育成するアカデミーを開講(ZDNet Japan)

いかがでしたでしょうか。少しでもDXに取り組む経営者・リーダーの皆さまにとって役立つ情報があれば幸いです。週刊DXニュースは毎週火曜日に掲載しています。来週もぜひお楽しみください。