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コロナ禍に行われたDXでITが複雑化
新型コロナウィルスが発生し、社会が一変したときから約1年が経ちました。リモートワークへの移動などにより、日本に限らず世界中の多くの企業では以前から課題とされているデジタルトランスフォーション(DX)の必要性が急増し、急ピッチでDXの導入が進められました。しかし急ピッチでの対応はITに影響が出ており、米CiscoのAppDynamicsが先週公開した調査によると、技術者の78%はシステムが複雑化していると答えています。
この複雑化を理由に、蓄積されるノイズデータも増えています。85%の技術者はこれが今後企業の業務に大きく影響すると危惧しており、75%はこの莫大で無駄なデータの整理のよって既に困難に陥っていると答えています。
また技術者自身にも影響がでており、調査によると、この状況を理由に技術者の89%は計り知れないプレッシャーを感じ、83%はこのプレッシャーがワークライフバランスに影響を感じていると答えています。また、技術者の多くは仕事に対してフラストレーションを抱き(81%)、同僚との衝突が増えた(63%)そうです。
日本よりDXの導入が進んでいる海外の事例は良い部分・悪い部分問わず多くの学びがあります。今回は悪い部分が目立つニュースでしたが、こういった情報も参考に自社のDXをより良い形で進めていくことが大事かと思います。
paiza DX人材のニーズ増
国内最大と言われるエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォームの登録者は7ヶ月で5万人増加し、総合登録者数は40万人を突破しました。
急な登録者の増加についてpaizaはプレスリリースで以下のように説明しています
1つは、… DXの取り組みが進むにつれて事業会社側でDXを推進できる人材のニーズが増加しています。こうした機会を捉えようと、「paiza転職」に登録するITエンジニアが増加しています。
2つ目の特徴は、システム開発などに直接関わらない職種のユーザーが、プログラミング知識を得るために「paizaラーニング」に登録するケースが増えていることです。ITエンジニアとの協業をスムーズに行うためや、将来的にキャリアの幅を広げることなどを視野に入れていると考えられます。
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000072.000012063.html
急な登録者増加理由1を見ると、DXのニーズに合わせて多くの技術者の転職希望が読み取れます。DXの促進にスキルのある人材が必要不可欠であり、これについて本メディアのコカコーラ・カナダでのインタビューでも強調されます。そのため、DXに取り組みたく転職を希望としている人材が増えていることは、企業にとってとても良い情報でしょう。
また、paizaが上げている登録者増加理由2からすると、自分からスキルアップをしようとしている人も増えています。個人もスキルアップをしているということが、日本ではDXに必要なスキルを持つ人が不足しているという点から考えても朗報だと思います。
つまり、piazaのプレスリリースから、日本のエンジニアが数多く転職・就職のプラットフォームに登録している傾向があることが明らかになっています。
しかし、本ニュースは人材を探している企業にとってとてもいいことですが逆を返せば転職希望のエンジニアが自社エンジニアである可能性もあります。新しい人材の獲得だけでなく、自社エンジニアの流出を防ぐためにどうしたらいいかも合わせて考える必要もあるでしょう。
国内最大のITエンジニア向けサービス「paiza」の登録者数が40万人を突破!DX人材のニーズ増大で登録が加速(プレスリリース)
21年新卒は企業選定時にDXを意識
Paperlogicは2021年2月25日、2021年の新卒社員の43.1%が、企業のDX推進具合を企業選考の基準としていたと発表しました。これは、109名の新卒社員にハンコ文化についての意識調査で明らかとなりました(調査期間:2021年2月15日〜2021年2月17日)。
この意識調査で「あなたは、就職活動をするにあたって、企業がどれだけDXを推進しているかを、企業を選ぶ際の基準として考えましたか。」という質問があり、「非常に考えた」と「少し考えた」と答えた人はそれぞれ、15.6%と27.5%でした。
一見、43.1%はそう多く見えないかもしれませんが、ビジネス社会ではDXの意識がまだ薄い中、大学生の半分に近い人がDXについて気にしているということは注目すべき点と思っています。DXの促進のために才能のある人材を引きつけることが重要ですが、DXに既に取り組んでいることがその人材を引きつけるための条件になりつつあるようです。
21年卒新入社員のハンコ文化に対する意識調査(Paperlogic)
いかがでしたでしょうか。少しでもDXに取り組む経営者・リーダーの皆さまにとって役立つ情報があれば幸いです。次回の週刊DXニュースもお楽しみください。