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農林水産省、農業DX構想の骨子案を3月中旬までに公表
日本の農業においても、デジタル技術の発展による消費者ニーズと業界の提供価値のギャップが広がりつつあります。2020年3月閣議決定した食料・農業・農村基本計画では、デジタル技術を活用したさまざまな施策を「農業DX構想(仮)」として取りまとめるとされていました。経営にデジタル技術を活用することで上記のギャップを埋め、的確に消費者ニーズに対応した価値を提供できるように農業を革新することがその目的です。そんな「農業DX構想」ですが、コロナ禍による社会の各所のデジタル取り入れの急速化もふまえて、1月27日に第1回会合が開かれ、有識者たちとの検討が行われました。
農林水産省と有識者の間では今後、下記の点を主要アジェンダに検討を行うことが示されました。
- 農業DX構想策定の前提として念頭におくべきデジタルトランスフォーメーションの特質、潮流な何か
- 農業・食関連産業のDXを進める有効なデジタル技術は何か
- コロナ禍をはじめとする社会的インパクトのなかで農業・食関連産業に大きな影響を及ぼすのは何か
構想の骨子案は3月中旬にとりまとめて公表する予定となっています。
有識者たちからの指摘の中、様々な話が上がりましたが、我々がその中で特に的を得たと思う指摘は、デジタルに関心を持つ農家が少ない現状で、そもそもどうしたら農家たちにデジタル技術を採用してもらうようにできるかです。この問題に対して、農水省はどう取り組もうとするのか今後も注目していきます。
伊藤忠商事:AIを活用し、サプライチェーンDXを本格的に展開
DXReviewの記事からも分かるように、数多くの分野でデジタル・トランスフォーメーションが推進されており、今後も主要アジェンダとなり続ける見込みです。食品流通分野でも同様です。率先している企業として、今日は伊藤忠商事の取り組みを取り上げます。
2021年2月1日、伊藤忠商株式会社はグループ会社で食品卸大手の株式会社日本アクセスと連携し、日本アクセスから食品メーカーに対する発注に関し、人工知能(AI)を用いた需要予測及び発注最適化のソリューションの導入を開始したことを発表しました。伊藤忠商事と日本アクセスは、これを皮切りに食品サプライチェーンDXを本格的に展開していくこととなります。
本取り組みの実証検証は昨年から行われ、結果として在庫削減効果や発注業務の効率化に繋がったことが既に確認されているそうです。この結果を受けて、今後の拡大方針を定めると共に、まずは一部の顧客と約1000程度の商品を対象にする予定です。
日本の総合商社としても名高い伊藤忠商事のDX事例を見て、未だにDXの必要性を理解しながらも本格的に取り組めていない他の日本企業も重い腰を上げることが期待されます。今後の伊藤忠商事のDX推進がより一層楽しみです。
食品サプライチェーンDXの本格的な展開について(伊藤忠商事)
デジタル庁、民間から「デジタル監」を民間起用。デジタル改革関連6法案も閣議決定
2月9日の閣議において、政府がデジタル庁創設を柱としたデジタル改革関連法案を決定しました。官民業務のデジタル化や地方自治体の行政システムの統一化を推進するとされており、行政手続きや国による現金給付などの迅速化もはかっていく方針です。
デジタル庁の発足は9月1日予定とされ、今国会での成立を目指すようです。首相をトップに非常勤職員を含め500人規模の組織とするとされ、事務次官にあたる特別職の「デジタル監」など全体の2割で民間人材が採用されることとなります。
テレワークや週3日程度の勤務、兼業も認めることで民間企業の優秀な人材を確保するようです。デジタル庁の採用に関しては以前こちらの記事でも取り上げていますので、もしご興味ある方は参加してみてはいかがでしょうか。
民間から特別職「デジタル監」起用へ、デジタル改革関連6法案を閣議決定(讀賣新聞)
いかがでしたでしょうか。少しでもDXに取り組む経営者・リーダーの皆さまにとって役立つ情報があれば幸いです。次回の週刊DXニュースはぜひお楽しみください。