中小企業庁の実証研究事業の提案募集開始やヤマトのDX育成など:週刊DXニュース(2021/3/23号)

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中小企業庁:実証研究事業の提案募集開始

2021年3月19日、中小企業庁は「中小企業・小規模事業者支援サイトのAI活用による経営課題解決促進の実証研究事業」に係る提案の募集を開始しました。

本事業を進める背景としてコロナ禍が影響しているようです。現在、各中小企業はミラサポplusというサイトで経営に関する相談・各種サポートを受けることが可能です。ただ、現在のサポート体制では358万あるといわれる中小企業のコロナ禍対応、事業再構築をケアすることは不可能に近い状況とのことです。こうした問題に対応するためAI活用を含めミラサポplusを大幅に拡張する方針のようです。


本事業の目的は、本プラットフォームのAPI連携機能を活用した民間ビジネスの開発を発掘・サポートし、積極的に連携することで、本システムとの相乗効果を狙った民間ビジネスの活性化を図り、国、支援ビジネス、中小企業の 3 者相互の活性化を最大限図ることです。

参加するための条件は以下の6つの通りであり、募集期間は2021年3月19日(金)〜2021年4月7日(水) 13:00(必着)です。

  1. 日本に拠点を有していること。
  2. 本事業を的確に遂行する組織、人員等を有していること。
  3. 本事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有し、かつ、資金等について十分な管理 能力を有していること。
  4. 予算決算及び会計令第70条及び第71条の規定に該当しないものであること。
  5. 経済産業省からの補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている者ではないこと。
  6. 過去3年以内に情報管理の不備を理由に経済産業省との契約を解除されている者ではないこと。

中小企業の経営者や小規模業者の方、ぜひこの機会を活かして応募を検討してみてはどうでしょうか。

令和2年度「中小企業・小規模事業者支援サイトのAI活用による経営課題解決促進の実証研究事業」に係る提案の募集(企画競争)を開始します(中小企業庁ページ)

ヤマトがYamato Digital Academyをスタート

2021年3月17日、ヤマトホールディングス株式会社は、経営層を含む社員のデジタルリテラシーの底上げと、デジタル人材の早期育成を図るための教育プログラム「Yamato Digital Academy(YDA)」をスタートし、全社を挙げてデータ・ドリブン経営の実現を推進するというニュースをリリースしました。

今年1月29日発表の中期経営計画の重点の一つの『「運創業」を支える人事戦略の推進』がYDAを開始した背景としてあり、3年で1000名規模のグループ社員の受講を予定しているそうです。

YDAのデジタル教育プログラムのカリキュラムは階層ごとに分けられ、下記3つです。

  • 経営層向けカリキュラム DXに必要な経営資源の分析とリスクへの見識を高め、正しいビジネス判断を可能にする経営プログラムの習得
  • DX育成カリキュラム(デジタル機能本部内向け) ITスキルを高めるだけでなく、理念研修や全社オペレーション研修などを通じて他本部が手がける事業を理解し、ITを駆使した事業創出力の習得
  • 全社員向けカリキュラム 基礎的なDX研修を受講し、新しい価値を創出できる人材を目指す
Yamato digital academy
出典:https://www.yamato-hd.co.jp/news/2020/20210317_04.html

DXにおいて、新規技術の導入は重要であり、DXに必要な各種スキルを保持している人材が必要不可欠です。以前の週刊DXニュースでも何度か取り上げていますが、現状としてDX人材は不足しているため、多くの企業にとって社内育成が以前と比べより重要になっています。また、組織全体の文化及び体制の改革も同じぐらい重要になります。Yamato Digital Academyのカリキュラムの内容を見ると、スキルアップを目的として育成だけでなく、新しい時代に合わさった文化の適応という目的もある等、大変参考になる事例かと思います。DX Reviewの『マイクロソフトのDX成功事例と「人事」起点の組織変革』合わせて、ぜひDX導入の際は参考にしてみてください。

デジタル人材の育成へ向け、「Yamato Digital Academy」をスタート(ヤマトニュースリリース)

東京ドームでのDXプロジェクト

読売新聞東京本社、読売巨人軍、東京ドームの3社は3月20日、東京ドームにおいて3月3日より実施している「ジャイアンツ×東京ドーム デジタルトランスフォーメーション(DX) プロジェクト」の取り組みを報道陣に公開した。密を避けるための施策が主だそうです。

具体的な取り組みとして、主に以下の企画の実施が挙げられます。2022年のシーズンから本格的導入に向けて現在実証実験が行われています。

  • マスクをつけていても1秒以内に顔認証によるキャッシュレス決済
  • デジタルチケットと自動電子入場
  • 携帯での飲食物のオーダー

それぞれの企画については東京ドームの公式ホームページも合わせてご覧ください。

東京ドームDX
出典:https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1313417.html

DXプロジェクトの取り組み自体の背景には2020年に発表された「世界一清潔、安全、快適なスタジアムを実現する」という宣言です。コロナ禍により、従来のスタジアムの楽しみ方が「熱狂声援型」から「快適体感型」へと変化し、アフター・コロナでは快適さを保ちながら熱狂的に楽しめるようになる“快適熱狂型”の楽しみ方に変わっていく意思も示されました。

DXとコロナがセットで語られることが多く、コロナのためにDXをやらないといけないというように捉えている経営者も多いかもしれません。しかし、決して「コロナだからDX」という意味ではありません。今回の東京ドームの取り組みもコロナ対策が大きな理由だと考えられますが、コロナが終わっても来客にとって大いに価値がある取り組みでもあります。目先の対応だけでなく、アフター・コロナも意識した対応を進めていきましょう。

安全・快適を目指す東京ドーム。顔認証技術を利用したDXの取り組み(Impress Watch)

いかがでしたでしょうか。少しでもDXに取り組む経営者・リーダーの皆さまにとって役立つ情報があれば幸いです。次回の週刊DXニュースもお楽しみください。