経産省DXレポート2や日本郵便と楽天、物流のDXに向け提携など:週刊DXニュース(2021/1/5号)

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今週の気になるDX関連ニュースまとめ

経産省、DXレポート2(中間取りまとめ)を公表

出典:デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告書『DXレポート2(中間取りまとめ)

令和2020年12月28日、経済産業省は、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)を加速するため、企業のとるべきアクションと政府の対応策の検討を行い、『DXレポート2(中間取りまとめ)』として中間報告書を公表しました。

経済産業省では、2018年9月に「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」を公表して以降、DX推進ガイドラインやDX推進指標を公開し、我が国企業のDXの推進に資する施策を展開してきました。DXレポートの発行から2年が経過した現在、デジタル変革に対する現状への危機感を持つ国内企業は増加しているものの、「DXの取組を始めている企業」と「まだ何も取り組めていない企業」に二極化しつつある状況です。して、今年初頭からの新型コロナウィルスの世界的な流行により、企業を取り巻く環境は急激に不安定化し、新たな事業環境にあわせた事業変革はあらゆる業界において最優先の取組事項となっています。こうした中で、迅速な環境変化への対応や、システムのみならず企業文化をも変革していくことは、企業が取り組むべきDXの本質的な課題です。

https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004.html

2018年に公開されたDXレポートは幅広い業界の経営者にとって必読なものであり、DXを推進しないことによる問題を中心にその構造が開設されていました。対して、今回の『DXレポート2』では、DXレポート公表以降のDX制作とその結果をベースに今後民間企業が事業変革のために取るべきアクション。つまりより具体的な施策提言へと踏み込んだ印象です。前回のレポートに続いてDXを推進する経営者やITベンダーは必見の内容と言えるでしょう。

経済産業省:デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告書『DXレポート2(中間取りまとめ)』

日本郵便と楽天、物流のDXに向け提携へ ‐ 新会社設立も

楽天の三木谷浩史会長兼社長(左)と日本郵政の増田寛也社長。

2020年12月24日、日本郵便株式会社と楽天株式会社は、健全で持続可能な物流環境の実現を目的とする戦略的提携(以下「本提携」)に向け、本日、基本合意書を締結しました。本提携によって両者が実現を目指す取り組みは次の通りです。

  • 両社の既存の資産および知見の活用最大化
  • データの共有化とそれを活用した物流DX(注)プラットフォームの構築
  • 共同物流拠点や配送網の構築
  • 新会社設立を含む物流DXプラットフォームの共同事業化

楽天執行役員コマースカンパニーロジスティクス事業ヴァイスプレジデント小森紀昭氏いわく「日本のEコマース比率は7~8%といわれている中、欧米中のように20%台になると、単純に(物流量は)3倍になる」とのことです。今後予想される人手不足の波に目を向ければ、物流量増による現場の負担はさらに増す可能性があるため、両社は、そうした状況になる前に、提携によって対策を打ち出したい考えを示した形です。

日本郵便と楽天、物流領域における戦略的提携に向けて合意

日本企業はDXに無関心な経営者が多い。JEITA、日米企業の DX に関する調査結果を発表

出典:JEITA 「日米企業のDXに関する調査結果

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、2021年1月12日、IDC Japan 株式会社と共同で実施した「2020 年日米企業の DX に関する調査」の結果を発表しました。本調査は 2013 年の「IT を活用した経営に対する日米企業の相違分析」、2014 年の「国内企業における『攻めの IT 投資』実態調査」、2015 年の「攻めの IT 経営企業における IT 利用動向関連調査」、2017 年の「国内企業の IT 経営に関する調査」に続く調査であり、本年はデジタルトランスフォーメーション(以下 DX)に焦点を当てています。今回は民間企業の情報システム部門以外に在籍しているマネージャーおよび経営幹部を対象にアンケートを実施、日本と米国それぞれ約 300 社の回答結果がまとめられています。

調査結果のサマリー

IT 予算は日米ともに増加傾向がみられるものの(*1)、その理由は米国企業が市場や顧客 の変化の把握などである一方、日本企業は働き方改革や業務効率化などであり、米国企業 の多くが外部環境把握に IT 予算を投じているのに対して、日本企業はいまだ IT 予算の大 半が社内の業務改善に振り分けられていることが明らかになりました

DX における経営層の関与については、米国企業は半数以上で経営層が DX の戦 略策定や実行に自ら関与している一方、日本企業は 4 割に満たないことが明らかになりま した(*4)。さらに DX の実施目的が、米国企業は新規事業および自社の取り組みの外販化 などの事業拡大にあるのに対し、日本企業は業務オペレーションの改善や変革といった既 存業務の収益改善にある傾向があり、日米のスタンスに違いが見られました

https://www.jeita.or.jp/japanese/topics/2021/0112.pdf

DXはITシステム部門の仕事ではなく経営者自らがリーダーシップをとることが重要です。DX Reviewで公開中の一條和生教授連載記事『DXは経営者のアジェンダ』を一緒に読んでいただくことでその辺りの背景にも触れていますので、ぜひ一緒にご覧いただくことをお勧めいたします。

日米企業のDXに関する調査結果を発表

SOMPOは自らを壊し「保険のない世界」を目指す――グループCDO/CIO 尾股 宏氏

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出典:IT media SOMPOは自らを壊し「保険のない世界」を目指す―グループCDO/CIO 尾股 宏氏

SOMPOホールディングスが掲げる「安心・安全・健康のテーマパーク」構築というビジョンは、2016年の中期経営計画で初めて掲げられたものです。トランスフォーメーションに向けた施策を着々と進め、2020年で5年になります。「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2020」 に35社中の1社に選出されました。ちなみに保険業界で唯一の選出となっています。

このビジョンを掲げた背景には、強烈な危機意識があります。データの時代にあって、事業柱である損害保険が持つ情報は限られます。顧客に何らかの事故や損害が発生したときにしか接点を持てない仕組みです。平時に顧客がどんな課題を持ち、何に困っているか、何を解決したいかを知るすべがないのです。

近年は自動車の自律走行の実現が視野に入ってきています。あくまで個人的な見解ですが、自動運転になったとき、事故の責任の所在はどこになるでしょうか。運転が自動車メーカーのサービスになり、さまざまな情報を基にしたファイナンスサービスの一つに保険が組み込まれるかもしれません。保険会社の存在意義が根底から揺さぶられる可能性もあり得ると考えています。だからこそ、外部からディスラプトされるよりも先に、自分たちで自分たちの事業をディスラプトして新たな未来を切り開くべきだと考えています。

https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/2101/12/news044.html

保険業界で唯一DX銘柄に選出されたSOMPOホールディングスが迎えたCDOのデジタル遍歴からDX推進の目的と本質まで、非常に読みごたえのあるインタビューでした。

SOMPOは自らを壊し「保険のない世界」を目指す――グループCDO/CIO 尾股 宏氏

いかがでしたでしょうか。少しでもDXに取り組む経営者・リーダーの皆さまにとって役立つ情報があれば幸いです。週刊DXニュースは今後毎週火曜日に更新していきます。